特集 インフルエンザ
綜説
日本に於けるインフルエンザ流行の趨勢と対策—Ⅲ.神奈川縣の状況
時任 直人
1
1横浜市衛生局予防課
pp.25-31
発行日 1957年12月15日
Published Date 1957/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201907
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緒言
1957年春以来,東南アジアに流行を見たインフルエンザ(以下「イ」)は,その病原体が我々の未だ侵襲を受けたことがない新型ウイルスであつたため,文字どおり日本を席捲した。神奈川県もその例にもれず,空前の大流行を見,川崎市,横須賀市の資料から推定して全人口の凡そ40%,約117万人が罹患した。感染処女地における「イ」流行の疫学現象は我々に種々の事実を実地に教えて呉れた。これについて,その把握が比較的容易で且つ正確な集団である学校の流行の様相を観察し考察して見たい。
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