研究・報告
家族計画を中心としたグループ指導と地区組織活動
礒谷 芳子
1
1愛知県春日井保健所小牧支所
pp.62-64
発行日 1963年6月10日
Published Date 1963/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202862
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はじめに
私たちは,一昨年2月から一農村婦人グループを通じて,地区衛生組織活動の育成を試みてきました.現在保健所における保健婦業務の重要な任務は,家庭訪問におかれていますが,しかし保健所活動の中で重要視せられるべき衛生思想の普及,あるいは衛生教育という点からは,家庭訪問は保健婦一人当りの対象人口が,あまりにも多すぎるため,個々の指導におわるのみでこれらの人びとを通じて,より広い活動を展開するにはほとんど不可能と思います.一方地区住民と直接,密接なつながりをもつ機会が多いのは私ども保健婦であります.この特長をいかし保健婦活動を,さらに合理的に幅の広いものにしたいと考え,小さなグループを通して活動を展開してみようと試みました.
活動の対象としてえらんだグループは,世帯数37戸,人口198を有する純農村部落の,若い主婦13人から作られたもので,平均年齢30歳,子供数2〜3人,中学卒程度の学歴を有するものの集まりであります.また農繁期は,家族ともども農業に従事しますが,農閑期には夫は日雇的な労働に従事しています.私たちはたえず他の機関と連携をもっており,このグループの誕生についても当初から,生活改良普及員から知らされていました.
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