「公衆衛生」書評
―河野 龍太郎 著―人間の行動を捉え,事故防止に向き合う『医療におけるヒューマンエラーなぜ間違える どう防ぐ 第2版』
浅香 えみ子
1
1獨協医科大学越谷病院・看護部
pp.563
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401103083
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
本書との出会いは,2004年発行の初版である.本書のタイトルにある「なぜ間違える,どう防ぐ」の問いに「(間違いの理由が)全部がわかっていたら,どうにかしている」「どんなに考えても,最後は自分たちが気を付けるしかない」という思いの中で出会った.
初版では,著者が経験した航空業界を含む多様なリスク管理を医療に応用させ,医療事故の発生をシステム構造として捉えた管理思考を提示し,さらにMedical SAFERを用いた分析手法が紹介されていた.この本で臨床に努力と根性(竹やり精神型安全と表現されている)以外の手段を取り入れることを学び,管理者としてシステムの改善により医療事故を低減する関わりをしてきた.つまり医療事故を個人の注意不足とする方向を回避し,対策を講じてきた.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.