特集 アルコール関連問題
扉
pp.177
発行日 2012年3月15日
Published Date 2012/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102356
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アルコール飲料の摂取(飲酒)を原因とする様々な疾患や病態,あるいは飲酒運転やアルコール関連の自殺といった社会問題などは,総称して「アルコール関連問題」と言われています.
わが国の健康増進計画である「健康日本21」では,アルコール関連問題への対応として,「多量飲酒者の割合を減少させる」,「未成年者の飲酒をなくす」,および「節度ある適度な飲酒の知識の普及」という3つの目標が設定されています.この目標からわかるように,たばこ対策における「禁煙キャンペーン」と違って,アルコール対策では,未成年者を除けば「節度ある適度な飲酒」を基本方針として啓発活動が行われてきました.その結果として,わが国の成人1人当たりのアルコール消費量は,10年以上にわたって漸減しておりますが,多量飲酒者の減少目標の達成は困難な状況となっています.また,最近は飲酒者層の変化や飲酒形態の多様化などが見られ,特に女性の飲酒量の増加が顕著であり,これには女性向けを含めた多種多様なアルコール飲料の販売戦略が影響していると考えられます.
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