沈思黙考
今回の災害から行政は何を学ぶか
林 謙治
1
1国立保健医療科学院
pp.62
発行日 2012年1月15日
Published Date 2012/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102325
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震災が発生してから7か月が過ぎ(原稿執筆時),私自身初期の興奮状態からある程度冷静にものを考えられるようになった気がする.もちろんこれから解決しなければならないことはなお山積しており,そして本格的な復興はむしろこれからである.この間政府は縦割りであるとか対応が遅いなどと批判されてきたが,当国立保健医療科学院は行政権限がないとは言え,筆者も公務員の一人として批判を謙虚に受け止めたい.
今回の震災の一つの特徴として,被災規模が大きいために多くの自治体で行政機能が麻痺してしまったことがある.そのために住民が市町村に救済を求めても対応が困難であった事例が少なくなかったようであった.また,市町村が県に対応を求めても,県側はやはり思うに任せない場面がしばしばあったと聞く.そこで反省点として,今回の災害対応から行政は何を学ぶべきかについて考えてみたい.
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