特集 地域における医師職のあり方
地域医療における公衆衛生医師職の役割
田上 豊資
1
1高知県中央東福祉保健所
pp.622-625
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101377
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医師不足による地方病院の診療科の閉鎖,過酷な労働に疲弊する勤務医,妊産婦のたらい回しや小児救急の問題,医療事故と訴訟の増加,医療制度改革による混乱など,わが国の医療が直面している課題を挙げればきりがない.高知県は,人口当たりの病床数,特に療養病床数が全国一多い県であると同時に,そうしたわが国が直面する医療問題を最も顕著に,最も先行して抱えている県のひとつである.
筆者は,高知県において本庁と保健所で長年,公衆衛生行政に従事してきた.また,全国保健所長会の地域保健の充実強化に関する委員会に参加し,医療制度改革に対する緊急アピールや,平成19年度の委員会提言などに関わってきた.こうした経験から,今後の地域医療における公衆衛生医師の果たすべき役割について,筆者の取り組み事例と全国の保健所長による先進事例を紹介しながら述べることとする.
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