連載 予防活動のガイドライン・2
肥満と腹囲
堀江 正知
1
1産業医科大学産業生態科学研究所産業保健管理学
pp.138-142
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101260
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
アメリカ合衆国予防医学専門委員会(US Preventive Service Task Force:USPSTF)は,文献の体系的レビューから,臨床家が診療の場で実施すべきスクリーニングや予防に関するガイドラインを1996年に公表した.「成人の肥満のスクリーニングと予防」は2003年12月に改訂している1).本稿は,その概要と最近の文献的知見を記す.
体内の脂肪量の測定法には,全身の比重を測る方法,上腕二頭筋に近赤外線を照射して測る方法,生体電気インピーダンスで測る方法,二重エネルギーX線の吸収で測る方法,CTで測る方法などがある.しかし,肥満のスクリーニング法に広く用いられてきた指標は,BMI(body mass index)である.ここで,BMI(kg/m2)が25以上30未満,30以上35未満,35以上40未満,40以上の場合,日本肥満学会は,それぞれ「肥満(1度)」,「肥満(2度)」,「肥満(3度)」,「肥満(4度)」と分類しているが,欧米では「過体重」,「クラスⅠ」,「クラスⅡ」,「クラスⅢ」と分類しており,本稿ではこの呼称で記した.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.