特集 環境問題の多様性
扉
pp.457
発行日 2007年6月15日
Published Date 2007/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101073
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
6月5日は「世界環境デー」です.1972年6月にストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して,国連が日本の提案を受けて定めたものと言われています.提案元の日本ではさらに,平成3年から6月を「環境月間」と定め,環境保健や環境保全の重要性を啓発し,国民の環境保全活動の意欲を高めることなどを趣旨として,関連行事が全国的に実施されています.そこで本誌でも,今月号の特集は「環境問題」をテーマに企画してみました.
環境問題は公衆衛生の重要課題ですが,本誌の特集としては数年ぶりの企画です.1980年頃までの大学の公衆衛生学の講義において環境問題と言えば,水俣病や四日市喘息など,特定地域の「公害」が主要なテーマでした.このような過去を教訓にして,日本では,国が定めた様々な環境基準に基づき,企業等の環境対策が強化された結果,従来型の公害による新たな健康被害は激減しました.しかし,国外に目を向けると,急速な経済発展の途上にあるアジア諸国では,日本が過去に経験した公害をさらに深刻化した形で繰り返しており,優れた環境対策の技術移転や公害被害者救済支援などの分野で,日本が果たすべき役割が大きくなっています.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.