特集 インフルエンザ
新型インフルエンザ対策
① 宮城パンデミック-インフルエンザ研究会―地域のボランティアとしての活動
西村 秀一
1
1独立行政法人国立病院機構仙台医療センター
pp.775-778
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100658
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世界のどこかで,私たちにとってそれまでとはまったく違う新しいインフルエンザが出現したとすると,それがまもなくパンデミックとなって,私たちが住む地域を襲ってくることは避けられない.すると,地域ではほとんどの住民がそれにかかり,大勢の患者,重症患者,そして死者が出る.それは歴史が証明している.そのときに被害をできるだけ少なくするためには,そのときに備えて,実際の流行の現場となる「地域」が事前に何らかの準備をして,やってきた時にその準備を活用し,これと戦う必要がある.その事前の準備が,「地域のパンデミック・プランニング」である.だが,現代社会の奢りか無知か怠慢か,われわれの準備は非常に遅れていると言わざるを得ない.数年前まで地域行政には,そうしたことを真剣に考えられるだけの人的資源に乏しく,その危機の存在すら知らないところがほとんどであった.
そこで,そうした地域の準備を提唱,啓発する目的で,宮城県で筆者らが始めた応援団的な会が「宮城パンデミック・インフルエンザ研究会」である.
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