症例ライブラリー この無痛分娩依頼 どうすればいいですか?
巻頭言
谷 真規子
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域 麻酔・蘇生学
pp.1135
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320121135
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- 文献概要
これまで無痛分娩は保険適用外とされ,費用は自己負担であった。しかし,東京都では一定の条件を満たした出産に対して助成が開始された。増加傾向にあった無痛分娩は,これが契機となってさらに増加し,あまり無痛分娩にかかわってこなかった麻酔科医が無痛分娩にかかわる機会も増えるだろう。今月の症例ライブラリーでは,「脊髄幹麻酔自体には習熟しているが,無痛分娩はそこまで詳しくない」という麻酔科医が,無痛分娩希望の妊婦の診察時に「どうすればいいのか…」と悩むであろう症例を挙げた。できないと断るのではなく,希望を叶える方法を模索することで麻酔科医が無痛分娩に関与する意義を示すことにもつながるはずだ。ただし,手術麻酔のように,脊髄幹麻酔の実施に懸念があるならば全身麻酔を適用すればよい,とシンプルにはいかないのが無痛分娩である。類似症例に遭遇した際の参考になれば幸いである。
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