Close-up せん妄
せん妄による認知機能障害の予防と対策
河合 佑亮
1
Yusuke KAWAI
1
1藤田医科大学病院看護部
キーワード:
せん妄
,
意識障害
,
長期予後
,
非薬物療法
Keyword:
せん妄
,
意識障害
,
長期予後
,
非薬物療法
pp.1224-1227
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091505520590101224
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
せん妄はさまざまな誘因から急性に発症する症候群で,注意力障害や失見当識,幻覚などの多彩な症状を有し,認知症とは異なって症状が変動することを特徴の一つとしている.せん妄は患者の回復過程の妨げになることが多くの研究で明らかとなっており,死亡率上昇,認知機能をはじめとした機能障害,転倒・転落,在院期間の長期化などと関連することが報告1)されている.特に重症患者に発症するせん妄は,重症疾患に伴う多臓器障害の一つ(中枢神経系に発生する急性脳機能障害)と考えられており,認知機能障害などの長期予後に大きな影響を与えることが示唆されている.

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.