エモーショナルAIを用いたヒューマンエージェントインタラクション研究

Emotional AI in human-agent interaction:exploring the social functions of facial expressions in cooperative decision-making

　近年の人工知能（AI）の加速度的な発展を背景に，社会的に機能するAIエージェント（ソフトウェアエージェントだけでなくロボットも含む）が求められている。従来のAIは認識，推論，プランニングなどの特定のタスクを人に代わって行うことを目的として開発されてきた。しかし，人同士が行うようなコミュニケーションや信頼関係の構築，あるいは協力的意思決定といった社会的な文脈には十分対応できていなかった。この課題を解決するため，対話，学習支援，行動変容促進など多様な役割を果たす社会的AIエージェントと人のインタラクションの研究，ヒューマンエージェントインタラクション（HAI）研究が進められている。

　社会的AIエージェントは，人が自然に接しやすいインタフェースを備え，言語や表情などの多様なチャネルを通じて相互作用を深める。なかでも，エージェントが感情認識機能や感情表出機能を持つこと，すなわちエモーショナルAIとなることはAIエージェントが真に社会的に機能するうえで必要不可欠である。