書評
疾患・病態を理解する尿沈渣レファレンスブック
矢冨 裕
1
1国際医療福祉大大学院
pp.1187
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530111187
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鏡検のレベルアップをめざす臨床検査技師,尿検査結果を活用する医師に
簡便に実施でき,非侵襲的検査の代表でありながら,多くの情報を提供してくれる尿検査を有効活用する意義は論をまちません.尿沈渣検査は,尿を遠心分離して得られる沈渣を顕微鏡で観察するものですが,腎臓・尿路系疾患を中心に多くの疾病を発見する手がかりとなります.この検査においては,種々の沈渣成分を正確に観察・記述することが重要ですが,本検査のプロとしては,診断・病態解明に資することができる,より多くの付加価値情報を臨床に提示する必要があります.そのためには,尿沈渣検査の鑑別技術の向上はもちろんのこと,疾患・病態との関連性を十分に理解している必要があります.
本書は,2018年春に発刊され,好評を博した「臨床検査」誌62巻4号(2018年4月・増刊号)「疾患・病態を理解する尿沈渣レファレンスブック」を書籍化したものと伺っていますが,まさに,「疾患・病態を理解する」助けになってくれると信じています.編集担当の宿谷賢一教授,編集協力の下澤達雄教授は,それぞれ,一般検査を専門とする,わが国を代表する臨床検査技師,臨床検査医です.

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