臨床検査のピットフォール
下肢静脈超音波検査における深部静脈血栓症(DVT)類似疾患の鑑別
岡村 優樹
1
1鹿児島医療センター臨床検査科
pp.1121-1123
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530101121
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はじめに
深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)は,主に下肢の深部静脈内に血栓が形成される病態である.形成された血栓が遊離し肺動脈を閉塞することによって,肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)を発症する1).血栓による肺動脈の閉塞範囲にもよるが,わが国におけるPTE発症早期の死亡率は心筋梗塞よりも高いといわれている2).そのため,超音波検査でDVTを見逃さないことが極めて重要である.DVTに類似する非対称性の下肢腫脹を呈する疾患の特徴と,DVTとの鑑別の際の注意点について述べる.

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