特集 人とまちの健康のために—ドイツ「多世代の家」に見る居合わせのかたち
看護の視点からドイツ「多世代の家」に学ぶ
西村 ユミ
1
1東京都立大学大学院人間健康科学研究科
pp.338-345
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700580040338
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はじめに
2024年9月,私は建築の専門家の研究班に合流し,ドイツ北部の「多世代の家」(Mehrgenerationenhaus:以下,MGH)を視察して回った。MGHを訪問することになったのは,科研費基盤研究(B)「ケア中心型社会の基盤となる持続的な「共在の場」とケアの関係構築に関する包括的研究」(代表:山田あすか先生)註1のメンバーであったためだ。私にとってこの視察調査は,その必要性がじわじわ効いてくる経験となった。
本稿では,看護学を専門とする私が,建築関係の専門家の研究チームに入って気づいたこと,視察を通して学んだことを改めて考えてみる(なお,MGHの詳細については,本特集・山田あすか先生による別稿「導入:特集のねらいとドイツ多世代の家の概要」等で詳しく紹介されているため,そちらを参照していただきたい)。

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