特集 糖尿病性腎臓病(DKD) Basic & Clinical up-to-date 2020 ~進化するDKD治療~
特集にあたって ~糖尿病性腎臓病(DKD)治療の新時代~
深水 圭
1
1久留米大学医学部内科学講座腎臓内科部門 主任教授
pp.7-7
発行日 2020年9月20日
Published Date 2020/9/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.09_0007-0007
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糖尿病性腎臓病(diabetic kidney disease:DKD)の名称が定着し,さまざまな病態がDKD進展に関わっていることが明らかとなってきている。DKDの治療は従来から血糖降下薬による厳格な血糖コントロールやRAS阻害薬を使用した血圧コントロールが主体であった。1985年にTagumaらにより,ネフローゼレベルの尿蛋白を呈する腎機能が低下した2型糖尿病性腎症に対してACE阻害薬であるカプトプリルを投与し,尿蛋白が著明に軽減することがN Engl J Med誌に掲載された。それから約15年後の2001年にRENAAL研究やIDNT研究によりARBの腎ハードエンドポイント進展抑制効果が証明された。さらに15年の時を経て2016年にはEMPA-REG OUTCOME研究によりSGLT2阻害薬の腎保護効果が報告され,2019年にはCREDENCE研究により腎機能が低下した顕性蛋白尿症例に対する腎ハードエンドポイントへの有効性が示されたことは記憶に新しい。
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