特集 慢性便秘診療の今
特集にあたって なぜ今さら便秘診療に注目するのか 診療科横断的疾患としての慢性便秘症
中島 淳
1
1横浜市立大学医学研究科肝胆膵消化器病学教室主任教授
pp.7-8
発行日 2017年9月20日
Published Date 2017/9/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.35.09_0007-0008
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これまでの慢性便秘診療は医師も患者も疾患として「治すべき病気」と捉えない傾向がわが国では強かった。患者の多くは医療機関に行かずに薬局で治療薬を購入して済ませているのが現状であった。一方医師側も多忙を極める診療で,便秘なんか薬局に行きなさい,という感じで放置され忘れられてきたかのような状況であった。しかし社会の高齢化の加速で便秘患者は増加しており,女性の病気から高齢者がハイボリュームゾーンの病気へと変貌を遂げてきた。高齢化,サルコペニア,フレイル,さらにはオピオイドによる緩和医療領域で便秘患者の増加を後押しするのが著しい状況であるが,便秘は秘め事という社会通念によりまさに表に出ない隠れた社会問題といってよい状況にまでなってきた。
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