特集 消化管疾患と感染の最前線
消化管感染症の検査の進歩
樽本 憲人
1
1埼玉医科大学附属病院 感染症科・感染制御科
キーワード:
Clostridium difficile
,
クロストリジウム感染症
,
細菌DNA
,
大腸菌感染症
,
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
PCR法
,
胃腸炎
,
感染
,
消化器疾患
,
カリシウイルス科感染症
,
MALD質量分析
,
検便
,
細菌培養
,
ノロウイルス
,
Enterohemorrhagic Escherichia coli
,
塗抹標本
Keyword:
Spectrometry, Mass, Matrix-Assisted Laser Desorption-Ionization
,
Digestive System Diseases
,
DNA, Bacterial
,
Infections
,
Gastroenteritis
,
Caliciviridae Infections
,
Clostridioides difficile
,
Clostridium Infections
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Polymerase Chain Reaction
,
Escherichia coli Infections
,
Enterohemorrhagic Escherichia coli
,
Norovirus
pp.838-843
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2022262908
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<Headline>1 糞便検体を提出するときは、症状のあるときの糞便を検査目的とする微生物ごとに、採取容器、検体量、温度などの保存条件の違いに注意して提出する。2 ノロウイルス感染者の糞便中のウイルス量は半分以上の症例で10^8コピー/g以上であったと報告されているものの、G II.17やG Iでは抗原検査が偽陰性の報告があるため注意が必要である。3 近年、質量分析、核酸クロマトグラフィーなどの新しい検査法が登場してきたが、腸管感染症をひきおこすウイルス、細菌、寄生虫を、網羅的に短時間で検出できる全自動遺伝子解析装置が複数市販され、利用可能である。4 Clostridioides(Clostridium)difficile感染症検査として、まずイムノクロマト法でトキシンA/Bの産生を評価するが、感度が十分ではないので、陰性の場合にはトキシン遺伝子検査やtoxigenic cultureによる追加の評価が必要である。
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