特集 新型コロナウイルス感染症 理解と対策の現状
総論 新型コロナウイルス感染症に関する法制度
米村 滋人
1
1東京大学 大学院法学政治学研究科
キーワード:
疾患届出
,
感染症法
,
強制収容
,
COVID-19
Keyword:
Disease Notification
,
Involuntary Commitment
,
COVID-19
pp.1487-1492
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2022032394
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<Headline>1 感染症に関する法令は多数存在するが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との関係で重要なのは感染症法と特措法である。2 感染症法は、感染症の予防・まん延防止と患者の人権尊重の両立を図る法律であり、かつての隔離措置に代えて、限定的に強制的診断・治療の制度を設けている。しかし、感染症法の仕組みではCOVID-19に十分に対応できていない。3 特措法は、一般住民・事業者等に対する大規模な行動制限を可能にする法律であるが、大半の措置が強制力のない協力要請であり、現在は感染症対策としての実効性に疑問が出ている。4 感染症対策の法令の内容とその運用には、現在も多数の課題があり、適正な制度の下で有効な感染症対策を実現するために、早急な検討が必要である。
Copyright© 2021 SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.