特集 内科外来でみる急性腹症診療:見落とさないコツ
消化器疾患 食道胃十二指腸疾患
松本 健史
1
,
永原 章仁
1順天堂大学 医学部消化器内科
キーワード:
アニサキス症
,
Mallory-Weiss症候群
,
胃炎
,
胃疾患
,
十二指腸疾患
,
食道疾患
,
消化器系内視鏡法
,
内視鏡的止血
,
Boerhaave症候群
Keyword:
Duodenal Diseases
,
Stomach Diseases
,
Esophageal Diseases
,
Gastritis
,
Hemostasis, Endoscopic
,
Anisakiasis
,
Endoscopy, Digestive System
,
Mallory-Weiss Syndrome
,
Boerhaave Syndrome
pp.81-84
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2021107072
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<Headline>1 急激に発症する強い腹痛を主訴とする腹部疾患を総称して、急性腹症と呼称する。2 痛みの成因による分類は、臨床の場では明確に区別することが困難なことが多い。3 内臓痛は管腔臓器の伸展や平滑筋層の攣縮、実質臓器の被膜の伸展などにより生じる。自覚部位は腹部正中線上に位置するが局在性に乏しい。一般に鈍痛であり、自律神経を求心路とする。4 体性痛は壁側腹膜、腸間膜、横隔膜の炎症や機械的刺激によって生じる。持続的で鋭利限局した痛みである。緊急処置が必要な疾患であることが多い。脊髄神経知覚伝導路を求心路とする。5 関連痛は内臓の障害であっても特定の部位の皮膚節に感じる痛み、関連痛のうち腹部外に感じられるものを放散痛という。脊髄後核に入る求心性内臓神経線維が同じ高さの後核に入ってくる体性の求心性線維と干渉を起こすために生じる。
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