特集 やっている “つもり” になっていませんか? 臨床検査の医療安全を見直そう
はじめに―本特集にあたって
根本 誠一
1,3
,
宇城 研悟
2,3
1株式会社日立製作所ひたちなか総合病院 TQM統括室 安全管理センタ
2松阪市民病院 医療技術部
3一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 医療安全委員会
pp.111-111
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.32118/mt52020111
- 有料閲覧
- 文献概要
今回の「医療安全」という特集は慣れ親しみにくく,いまいちピンとこないかもしれません.しかし,現在は医療現場において「医療安全」抜きには何もできない時代になっており,それは臨床検査の分野も例外ではありません.しかしながら,現状として臨床検査技師は「医療安全」に対する自覚が非常に低いように思います.では,臨床検査技師は他の医療職に比べ,「医療安全」をおろそかにしているのでしょうか.臨床検査技師は品質保証や精度管理をはじめ,臨床検査の信頼性を向上するための取り組みを日々行っていますが,この行いは,実は多くのリスクを軽減しているのです.つまり,質の高い安全な医療を提供するための一翼を最前線で担っているということになります.普段から行っている臨床検査業務自体が,「医療安全」の目的である「医療の質と安全の確保」につながる業務であり,私達臨床検査技師は,日頃から無自覚に「医療安全」に深く携わっているのです.このことをあらためて自覚したうえで業務を行うことによって,今まで以上に医療の質と安全の向上に寄与することができるでしょう.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.