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第1土曜特集 急性腹症の診療の質を上げる秘策
訴訟とならないための秘訣
-――患者側弁護士から
Tips for avoiding medical malpractice lawsuit
浅川 敬太
1,2
Keita ASAKAWA
1,2
1梅田総合法律事務所
2大阪大学大学院医学系研究科社会医学講座(法医学)
キーワード:
医療過誤
,
急性腹症
,
医療安全
Keyword:
医療過誤
,
急性腹症
,
医療安全
pp.668-672
発行日 2026年2月7日
Published Date 2026/2/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296060668
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医療過誤紛争の現状と,急性腹症における訴訟リスクを低減するための診療上の留意点を考察した.2008~2024年の裁判例23件を分析した結果,急性腹症に関する医療過誤の多くは “診断エラー”,特に “診断の遅れ” が原因であることが確認された.なお,急性腹症のうち消化器疾患は,心大血管疾患に比べると病態が悪化するまでに時間的猶予があるため,診断の遅れの問題が顕在化しやすく,過失と判断されやすい傾向にあることも示唆された.裁判例の内容にも目を向けて分析すると,急性腹症における訴訟リスクを避けるためには,以下の3つの点が重要であると考えられた.第1は診断力の向上,第2は複数のポイント(時点)で病状の評価をすること,第3は患者や家族,看護師からの情報を真摯に受け止め,症状の出現時には時機に遅れず診察することである.これらの対策は,単に訴訟を回避するだけでなく,結果として医療の質の向上と安全な医療提供につながるものと考えられる.

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