臨床研究
高次脳機能障害に対する精神科診療の現状
武澤 信夫
1
1京都府立医科大学 神経内科
キーワード:
質問紙法
,
社会的行動障害
,
精神保健サービス
,
暴力
,
妄想
,
過敏性気分
,
病院精神科
,
多機関医療協力システム
,
地域社会ネットワーク
,
退院指導
,
アパシー
,
高次脳機能障害
Keyword:
Violence
,
Delusions
,
Mental Health Services
,
Psychiatric Department, Hospital
,
Multi-Institutional Systems
,
Irritable Mood
,
Social Behavior Disorders
,
Apathy
,
Community Networks
pp.208-213
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.32118/J02606.2021107940
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目的◆精神科における高次脳機能障害による社会的行動障害の診療状況を明らかにする。対象と方法◆近畿地方における精神科医療機関1,076施設を対象に、郵便法で調査票を送り、19.9%を回収し分析した。結果◆行動障害を経験した施設の比率は、「感情コントロール障害・易怒性」が79.0%、「意欲・発動性の低下、アパシー」が62.1%、「暴言・大声」と「対人技能の稚拙」が58.4%であった。社会参加困難となる行動障害は、「暴力・他害行為」が50.0%、「妄想」が31.3%、「金銭管理が困難」が30.8%で、法的問題となる「性的逸脱」等があった。対処方法は薬物療法が60.3%で、入院治療が20.6%で行われ、退院支援では精神科訪問看護の導入や保健所等との連携が行われていた。考察◆社会的行動障害例では、適切な治療や支援がないと社会参加が困難になることがあり、精神科と連携して薬物療法や訪問看護の導入を考慮すべきである。
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