特集 心電図パーフェクトレッスン
(LESSON 01)心電図の基礎を理解しよう 心電図波形と基準値
高梨 昇
1
1東海大学医学部付属東京病院 診療技術科
キーワード:
Lown-Ganong-Levine症候群
,
WPW症候群
,
心電図
,
低カリウム血症
,
基準値
,
QT間隔
,
房室ブロック
Keyword:
Wolff-Parkinson-White Syndrome
,
Electrocardiography
,
Lown-Ganong-Levine Syndrome
,
Reference Values
,
Hypokalemia
,
Atrioventricular Block
pp.1323-1332
発行日 2023年12月25日
Published Date 2023/12/25
DOI https://doi.org/10.32118/J01436.2024096717
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<POINT>▼P波は心房の脱分極を表す.P波の正常値は,II誘導でP波幅は0.06~0.10秒,高さは0.25mV未満,PQ時間の正常値は0.12~0.20秒となる.▼QRS波は心室の脱分極を表す.Q波はP波に続く下向きの波,R波は上向きの波,S波はR波に続く下向きの波で,QRS幅の正常値は0.06~0.10秒となる.▼異常Q波は,Q波の幅が0.04秒以上で振幅がR波の高さの1/4以上の場合をいう.▼QT時間は心拍数の影響を受けるため補正が行われる.QTcの補正式は,成人ではBazettの補正式,小児ではFridericiaの補正式が用いられる.▼ST変化は,通常はJ点から80msの所で計測され,ST上昇やST下降の判定が行われる.▼U波はT波の後にみられる緩やかな小さい波形で,陽性,平坦,陰性がある.異常U波にはU波増高と陰性U波がある.
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