全身性炎症性疾患としての乾癬治療に大切な栄養指導

　乾癬患者に肥満が多いことが近年知られており，肥満の程度が高くなると乾癬の発症リスクが増え，乾癬の重症度も高まることが国内外で報告されている．肥満細胞からはアディポサイトカインと総称される生理活性物質が分泌され，それらの炎症性サイトカインの中に腫瘍壊死因子であるTNF-αやIL-6，CRPなどが含有されている．肥満患者ではこれらの産生異常が全身性炎症性疾患やメタボリック症候群を発症する要因となる．肥満だけでなく，多くの乾癬患者が高血圧，糖尿病，脂質異常症，高尿酸血症の合併頻度が多く，いわゆるメタボリック症候群の合併頻度も高い．

（「乾癬と肥満」より）