治療
治せないアトピー性皮膚炎 外用アドヒアランスを高めて治す 目覚めよ!8,000人の皮膚科医、今こそ治療法の再学習の時
片桐 一元
1
1獨協医科大学附属越谷病院 皮膚科
キーワード:
Steroids
,
経皮投与
,
皮膚炎-アトピー性
,
治療成績
,
患者アドヒアランス
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Dermatitis, Atopic
,
Steroids
,
Treatment Outcome
,
Medication Adherence
pp.892-897
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017324040
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私が「治せないアトピー性皮膚炎」にこだわるようになったのは,目の前にいる治せない患者は自分の診療技術がないために治せないのではないか,との思いが常にあり,よりよい治療技術・治療方法を求めてのことであった.現時点での治療の限界点を探るべくアトピー性皮膚炎治療研究会第21回シンポジウムを「治せないアトピー性皮膚炎」をテーマに開催し,参加者の治療技術と努力を確認し,一定の「治せない」患者像や病態を整理することができた.その一方で,もっと簡単に治せるはずなのに「治せない・治せていないアトピー性皮膚炎(AD)」患者が多く存在することも大きな問題点だと意識させられ続けてきた.「皮膚科を受診しても治らない」と,患者や他科の医師から思われることは,皮膚科の存在意義にもかかわる重要な問題点である.これは多くの皮膚科医の治療技術,診療意欲が低いことに起因し,また,ステロイド忌避の一部は,「治せない」ことが多すぎるために生じているともいえる.本稿では,このようなタイトルで話題を進めることを許されたので,学会,講演会では直接的に触れることのない,皮膚科医の診療技術・診療意欲の低さに敢えて苦言を呈すとともに,「治せる」皮膚科になるための第一歩として,「外用アドヒアランスを高める」ための考え方について解説したい.(「はじめに」より)
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