特集 痒みのない皮膚病
臨床例
皮膚LE様の皮疹を呈した慢性GVHD
辻岡 馨
1
,
谷 冴香
,
大橋 理加
,
岡 智子
1日本赤十字社和歌山医療センター 皮膚科
キーワード:
移植片対宿主病
,
Prednisolone
,
エリテマトーデス-円板状
,
エリテマトーデス-全身性
,
骨髄移植
,
鑑別診断
,
苔癬-扁平
,
白血病-急性骨髄性
,
皮膚疾患-顔面
,
発疹
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Facial Dermatoses
,
Exanthema
,
Graft vs Host Disease
,
Lichen Planus
,
Lupus Erythematosus, Discoid
,
Lupus Erythematosus, Systemic
,
Prednisolone
,
Leukemia, Myeloid, Acute
,
Bone Marrow Transplantation
pp.1167-1170
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016073946
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<症例のポイント>急性骨髄性白血病(以下、AML)の治療として骨髄移植を受けて約10ヵ月後に自覚症状を伴わない顔面の皮疹が出現した。皮疹は不規則な色素沈着を混じる境界やや不明瞭な淡紅色局面で、一見蝶形紅斑を思わせたが、lupus erythematosus(以下、LE)や扁平苔癬の典型的所見とは微妙に異なり、口腔病変や肝障害の存在を合わせて慢性GVHD(移植片体宿主病)によるものと診断した。慢性GVHDの皮疹は多彩であるが、顔面のLE様皮疹を示すことはあまり多くない。しかしながら、蝶形紅斑様病変の鑑別診断の一つとしても取り上げるべきものと考えた。
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