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特集 腎疾患治療薬 フロントライン
各論
第2章 慢性腎臓病・透析合併症
46.感染症:帯状疱疹の抗ウイルス薬とワクチン
Antiviral Agents and Vaccines for Herpes Zoster
加藤 英明
1
Kato Hideaki
1
1横浜市立大学附属病院血液・リウマチ・感染症内科
キーワード:
帯状疱疹ワクチン
Keyword:
帯状疱疹ワクチン
pp.375-379
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002164
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1 はじめに
水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)は,ヘルペスウイルスに属するDNAウイルスである。VZVは広く人間界に存在し,ほかの動物には感染しない。小児の初感染による水痘(varicella,chicken pox)と,高齢者・免疫不全者での休眠ウイルスの再活性化による帯状疱疹(herpes zoster)の2つの主な病態がある。ヘルペスウイルスの特徴として神経への親和性が高く,罹患部位の紅斑,水疱形成と,ピリピリとした神経痛が特徴である。小児への定期接種A類疾患の対象となって小児の新規罹患者は減少しているが,人口の高齢化とともに帯状疱疹の症例は増加している。腎不全患者では細胞性免疫が低下しており,一般人口と比して帯状疱疹への対応がより必要になると考えられる。感染経路はエアロゾル〔感染性呼吸器粒子=IRP(infectious respiratory particle)〕の吸入,もしくは眼球など粘膜面への接触による。基本再生算数(R0)は3.7~5.0である1)。近年のトピックとしては帯状疱疹ワクチンの登場があり,水痘罹患の有無にかかわらず50歳以上での接種が推奨されている。

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