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増刊号 腎代替療法のすべて
【第4章 血液透析,血液透析濾過】
10 維持透析における透析機器と管理 ②透析液供給装置:当院における透析液供給装置管理の遍歴
The progress of central dialysate delivery system(CDDS)management in our hospital
金山 由紀
1
,
佐々木 裕介
1
,
小川 智也
2
Kanayama Yuki
1
,
Sasaki Yusuke
1
,
Ogawa Tomonari
2
1埼玉医科大学総合医療センター臨床工学部
2埼玉医科大学総合医療センター腎・高血圧内科血液浄化センター
キーワード:
central dialysate delivery system(CDDS)
,
生物学的汚染
,
熱水消毒AO
Keyword:
central dialysate delivery system(CDDS)
,
生物学的汚染
,
熱水消毒AO
pp.223-229
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000431
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はじめに
本稿では,透析機器・透析液供給装置の管理と経過について記述をする。日本の透析治療は時間経過とともに患者数も増加してきた。その背景には,慢性透析治療の保険が1968年(昭和42年)・更生医療が1972年(昭和47年)に適用になり,患者の経済的負担が軽減されたことにより,わが国で透析患者数が大幅に増加し,その後2020年度末で347,671人になった(図1)。透析を行うための機器は,それぞれの透析装置に透析液製造装置を備えたいわゆる個人機といわれるものが世界各国の主流である。しかし,日本では個人機が発展するよりも,透析液供給装置で製造された透析液を配管を通してベッドサイドの透析装置に流すセントラル透析液送液システム(central dialysate delivery system:CDDS)が主流となった。2020年日本透析医学会統計調査報告書によると,報告施設数4,437において透析装置数143,772台で,つまり,平均装置台数が32台(1施設の平均患者数78名)であり,1施設当たりの装置台数が年々多くなっている傾向にある。患者,装置台数ともに多くを管理する必要があるため,装置の管理を簡便にするシステムの導入が進んだ=CDDSがわが国で広く普及した結果ともいえよう。ここではわが国において独自に進化したCDDSについて考えてみたい。
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