原 著
血清アルブミン濃度が軽度~中等度に低下した肝硬変患者のQOLに及ぼすリーバクト®配合顆粒の影響
飯島尋子
1
,
井倉技
2
,
中山晴夫
3
,
小林正宏
4
,
熊田博光
5
,
井廻道夫
6
1兵庫医科大学病院内科肝・胆・膵科・教授
2市立池田病院消化器内科・部長
3いわき市立総合磐城共立病院消化器内科/副院長
4国家公務員共済組合連合会虎の門病院肝臓内科・医長
5国家公務員共済組合連合会虎の門病院・分院長
6新百合ケ丘総合病院消化器・肝臓病研究所・所長
pp.1329-1341
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201305127
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
血清アルブミン濃度が軽度~中等度(3.1~ 3.5g/dL)に低下した低アルブミン血症を呈する肝硬変患者を対象に,リーバクト配合顆粒(味の素製薬株式会社:以下,本剤)を1年間投与した際の,QOL(quality of life)を中心とした有効性および安全性を評価した。自覚症状並びにSF-8にて評価したQOLは,本剤の投与により有意に改善し,併せて血清アルブミン濃度の上昇も認められた。副作用発現率は1.98%で,主な副作用は既に知られている事象であった。
また,血清アルブミン濃度の低下が軽度~中等度のこれら症例においても,健常人よりQOLが損なわれている傾向があり,肝硬変が重症化に至る以前の段階から本剤を投与することは,QOLの改善効果も含め,肝硬変患者の治療戦略上重要であると考えられた。