血液浄化機器2020
第XIII章 輸液ポンプと注入器 1.輸液ポンプ・シリンジポンプ
小川 浩之
1
1虎の門病院臨床工学部・臨床工学技士
pp.1137-1144
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001425
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輸液・シリンジポンプは,血液浄化療法中の抗凝固薬の投与,水・電解質輸液,高カロリー輸液,化学療法薬・高濃度薬剤などの血管への投与や,経腸栄養のように患者の消化管に栄養を供給する目的で,広く臨床で使用されているもっとも身近な医療機器の一つである.薬剤は,適正な量を適正な時間で投与することにより最大の効果を発揮しうるため,注入精度を担保することが輸液に対する信頼と安全性を確保するための重要な目的である.輸液・シリンジポンプは,自然落下方式と比較して腕の屈曲や圧迫,体位,輸液バッグの残量などの要因による影響を受けにくく,輸液総量と単位時間当りの輸液量を設定することにより正確に輸液を注入できる.また,流量調整と監視作業に費やす時間が大幅に短縮可能なため省力化にも寄与する.
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