経験症例から考える経縦隔アプローチでの肺静脈損傷の危険性について

食道癌に対する手術は，開胸・開腹・頸部操作の3領域にわたるもので，その手術侵襲は非常に大きい。近年，内視鏡外科手術の進歩により，胸腔操作は胸腔鏡下に行われるようになってきた1）。しかし，胸腔鏡手術が行われるようになっても，手術中，片肺換気となるのは開胸手術と同様のため，肺炎などの合併症は開胸手術よりは改善してるが，依然として高率である2）。