特集 半月板と軟骨を治すための最新知見
幹細胞関節内投与による軟骨修復の可能性-滑膜幹細胞による再生医療-
大関 信武
1
,
古賀 英之
2
,
関矢 一郎
1
1東京医科歯科大学再生医療研究センター
2東京医科歯科大学大学院運動器外科学
キーワード:
変形性膝関節症(osteoarthritis of the knee;膝OA)
,
間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells)
,
滑膜幹細胞(synovial mesenchymal stem cells)
,
軟骨損傷(cartilage injury)
Keyword:
変形性膝関節症(osteoarthritis of the knee;膝OA)
,
間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells)
,
滑膜幹細胞(synovial mesenchymal stem cells)
,
軟骨損傷(cartilage injury)
pp.965-971
発行日 2024年9月19日
Published Date 2024/9/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000001892
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滑膜幹細胞はin vitroおよびin vivoにおける軟骨分化能が高く,増殖能が高い細胞集団である。膝関節軟骨損傷に対して,関節鏡視下で軟骨欠損部に滑膜幹細胞の浮遊液を10分間静置すると,症状の改善とMRIあるいは関節鏡検査において軟骨の再生を認めた。また,変形性膝関節症に対して滑膜幹細胞の関節内投与を行うと,MRI 3次元解析を活用した評価において軟骨摩耗の進行が抑制され,臨床症状が改善したことが認められた。今後,超音波を用いた外来・局所麻酔下での滑膜採取が普及し,滑膜幹細胞を用いた再生医療がより身近な治療になることが期待される。
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