特集2 心アミロイドーシスの画像診断:心臓MRI編
序説
北川 覚也
1
1三重大学 みえの未来図共創機構 地域共創展開センター
pp.999-999
発行日 2024年8月26日
Published Date 2024/8/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001778
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医師になったころの筆者にとって心アミロイドーシスは稀少疾患という認識であった(あるいはその存在を認識もできていなかったかもしれない)。心臓MRIという言葉は聞いたことはあったけれど[筆者が三重大学 放射線科に入局する前年に佐久間 肇先生(現・同大 放射線科教授)が留学から帰り検査を開始していた],アミロイドーシスとは結び付けようもなかった。実際に“cardiac amyloidosis, MRI”と『PubMed』検索してみると1997年以前の論文は8本しかヒットしない。そのなかに1つだけ心アミロイドーシスにおける左室心筋の異常造影効果を報告したものがある。当時,愛媛大学 第二内科に在籍しておられた松岡 宏先生(現・朝倉さわやかクリニック院長)の手による心電図同期スピンエコー法T1強調像を用いた報告である。これに続くスピンエコー法の論文は1999年まで待たねばならなかったから,松岡先生らの仕事の先進性には驚きを禁じえない。
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