特集1 出会ったときに悩まない 医原性病変の画像診断
序説
渡邊 尚史
1
1旭川医科大学 放射線医学講座
pp.933-933
発行日 2024年8月26日
Published Date 2024/8/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001770
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診断医として駆け出しのころ,鍼治療の既往のあるスクリーニングCTで画像を何度もスクロールし所見を確定する直前,すっと気になる違和感が生じた。動脈硬化の石灰化と頭のなかで思い込んでいたものが血管近傍まで迷入した針であり,こんな体幹の深部まで針が迷い込んでくるのかと驚いた経験はいまだに忘れることができない。文献を検索してみると,伏針による心タンポナーデ,気胸,骨髄炎,肝炎,感染性心内膜炎,くも膜下出血,敗血症,脊髄障害などが報告されていた。現在の『鍼灸安全対策ガイドライン(2020年版)』では,故意に鍼を体内に埋没させる埋没鍼療法は禁忌の施術とされていることから,今後見かける頻度は少なくなっていくことが想定される。
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