特集1 令和にアップデートしたい 膵癌の画像診断
序説
福倉 良彦
1
1川崎医科大学 放射線診断学
pp.729-729
発行日 2023年7月26日
Published Date 2023/7/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001340
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膵癌は,癌死亡原因の第4位に位置し,罹患者数と死亡者数はともに増加傾向にあり,日常診断する機会も増えている。膵は,解剖学的に対象が小さく,かつ,呼吸や消化管の蠕動およびガスの影響を受けやすく,良好な画像が取得しがたい特徴がある。しかしながら,近年の画像診断の進歩により,膵においても高空間・時間分解能の良質な画像が取得可能である。また,形態情報のみならず代謝や機能などの病態情報量も得られるようになっている。これらの恩恵により,近年,早期膵癌の画像所見も明らかとなりつつある。一方,『膵癌取扱い規約』や『NCCNガイドライン』においては,放射線科医が責任をもつべく推奨撮像条件のみならず,主に内科や外科医が関与する,治療に直結する病期や切除可能性の画像による評価法も記載されており,チーム医療に携わるすべての医師が最低限知っておくべき情報が日々更新されている。本特集は,膵癌評価のための標準的撮像法,画像診断の進歩,膵癌の検出能,進行度評価,治療効果判定や予測に関するこれまでのエビデンスや最新の情報,実際の診断法を包括的に学べるように企画・構成した。
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