Japanese
English
整形手術手技
大腿骨転子部骨折の髄内型を髄外型に組み換える方法
Method of anteromedial cortical support reduction in trochanteric fractures of the femur
久留 隆史
1
T. Hisatome
1
1板橋中央総合病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Itabashi Chuo Medical Center, Tokyo
キーワード:
trochanteric fracture
,
femur
,
anteromedial cortical support reduction
,
cephalomedullary nail
,
reduction to extramedullary type
Keyword:
trochanteric fracture
,
femur
,
anteromedial cortical support reduction
,
cephalomedullary nail
,
reduction to extramedullary type
pp.348-355
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_348
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は じ め に
大腿骨転子部骨折に対するshort femoral nail(SFN)は,わが国でもっとも多く選択される治療法である.しかし,文献的にはSFNの約2~3%に内固定による整復維持の破綻をきたしたとの報告がある1).その要因の一つにovertelescopingがあげられるが,特に不安定型と称される逆斜骨折や後外側壁破綻例で問題を生じるケースが指摘されている.しかし,安定型と称される転子部骨折においても,内固定後に徐々にすべりが生じて骨頭骨片が後方に落ち込み骨幹部骨片の髄内に入り込んで「髄内型」への移行が生じることは広く知られている2,3).そのovertelescopingを防ぐことが合併症を限りなくゼロに近づけることとなるが,その方法として前内側での骨性コンタクトの獲得が盛んに行われており成果を上げている.すなわち,手術成功の可否はこの前方皮質骨をいかに「髄外型」へ整復するかで決定されるため,その方法について以下に詳述する.
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