連載 医療の不確実性に向き合う―不明・複雑・変わりゆく病状,正解がわからないときにどう対応するか
第8回 ケース ④:背景疾患が一向に見つからない高体温症
徳増 一樹
1
1岡山大学病院 総合内科・総合診療科
pp.943-948
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_943
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われわれの診療科では,不明熱外来を開設しているため,「39℃の高体温なのに,いくら検査しても異常値がない」という経験をすることがよくある.潜在的な疾患の検索をし続けるだけでは,「疾患を探しにいく→見つからない」という構図のため,患者も医師もその不確実性の増大とともに,不安感も増してしまう.今回は,機能性高体温症という病態とそれに向き合う医師のプロセスを記述していく.なお,本稿は内科131巻3号444~448頁の「思春期の不明熱 機能性高体温症を考える」という記事を本連載用に改稿・追記したものである.

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