連載 医療の不確実性に向き合う―不明・複雑・変わりゆく病状,正解がわからないときにどう対応するか
第7回 不確実性への対応 ④:自分の感情を認知する,不安に向き合うということ
徳増 一樹
1
1岡山大学病院 総合内科・総合診療科
pp.321-324
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_321
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不確実性に向き合い続けるのは,とても大変である.自分の診断,治療,方針が合っているか,妥当であるか,患者さんに不利益がかかっていないかという不安が常に付きまとう.患者さんの経過がよくなっていたらその不安も少ないが,そうでないときはその不安は増幅する.医療では “100%” でないことがほとんどなので,誰しも,自分自身の診療に確証をもっているわけではないであろう.本稿では,不確実性のある診療現場で出現し,ときに増幅していく,「不安」という医師の感情に着目し,分析・考察していく.

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