特集 内分泌疾患診断のための5 Steps―「見逃しやすい」を「見逃さない」に変えるために
[Step 1] 症状をわかりやすく聞き出して内分泌疾患を疑う
不明熱の影に内分泌疾患あり
亀田 啓
1
1北海道大学病院 糖尿病・内分泌内科
キーワード:
不明熱
,
亜急性甲状腺炎
,
副腎不全
Keyword:
不明熱
,
亜急性甲状腺炎
,
副腎不全
pp.217-220
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_217
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▪不明熱では幅広い問診と診察を行い,感染症,悪性新生物,自己免疫疾患を中心に鑑別を進めるが,亜急性甲状腺炎や副腎不全などの内分泌疾患も鑑別に入れて診療することが重要である.
▪亜急性甲状腺炎では典型的には発熱,前頸部痛,甲状腺中毒症状が揃うが,疼痛がない~軽度の場合もあり,不明熱の診療においては甲状腺圧痛の確認,甲状腺超音波検査での低エコー域の確認が重要である.
▪副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌低下症では全身倦怠感,気力低下,食思不振,悪心,腹痛などの非特異的な症状を呈し,診断が遅れることも多い.副腎不全による発熱は感染症との鑑別が難しく,不明熱の鑑別として留意する必要がある.
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