連載 ~知っているようで,実は十分に理解していない~ 医療に関する制度のあれこれ
第1回 指定難病
波多野 将
1
1東京大学大学院医学系研究科重症心不全治療開発講座
pp.306-309
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_306
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「難病の患者に対する医療等に関する法律」が平成27年1月1日から施行されたことに伴い,難病の医療費助成制度も変更となり,医療費助成の対象となる疾患数が56疾患から300疾患以上に拡大されました.疾患数が増えた分,自己負担上限月額も増額となり,以前から助成を受けていた患者にとっては負担増となりましたが,一方でこれまで助成の対象になっていなかった患者のなかで,新制度で新たに助成の対象となった人も多くいます.この制度は患者自身が申請をして初めて認定が受けられるわけですが,自身の病気が指定難病に該当するということを認識している患者は多くありません.このため,診断をした医師側から申請を促すことが必要となりますが,疾患数が拡大したことにより,医師側でも指定難病について十分に把握していないというケースもしばしば見受けられます.そこで今回は,指定難病について最低限知っておいていただきたいことをまとめました.
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