特集 内科医に求められる他科の知識―専門家が伝えるDo/Don’t
第7章 形成外科
形成外科領域
-この5年の進歩
榊原 俊介
1,2
,
寺師 浩人
1
1神戸大学大学院医学研究科形成外科学
2兵庫県立がんセンター形成外科
pp.1942-1944
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1942
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
局所陰圧閉鎖療法(NPWT)
創傷治療の歴史は,各時代の科学・工業技術が強く反映される.かつてはハチミツや獣脂にヒントを得た軟膏による治療が中心であったものが,化学工業の発展に伴いハイドロコロイド材,ハイドロファイバー,ポリウレタンフォームなどといった創傷被覆材が開発された.その後,電子機器の発展とともに1995年には米国において創部に持続的に陰圧を付加する装置が上市されるようになった.本機器開発には,創傷部位に持続的に陰圧を付加することで細胞増殖シグナルが活性化され,肉芽形成の促進や創部の収縮を誘導し,創傷治癒が促進されることが明らかとなったことが背景にある.本邦では2009年にV.A.C.®システム(KCI社)がようやく保険収載された.
© Nankodo Co., Ltd., 2019