特集 外科手術と感染症
編集にあたって
佐野 武
1
1がん研究会有明病院
pp.414
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka85_414
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外科手術の歴史は,感染症との戦いの歴史でもある.Lister,Billroth,Mikulitzといった19世紀後半の大外科医たちは,感染症克服に最大の工夫を払いながら新しい手術手技の開発に挑みつづけた.それから150年が経過した今日,外科手術手技は著しい発展を遂げ,安全な麻酔管理のもと,さまざまな器具が無菌状態で注意深く使用されるようになったが,それでも相変わらず感染症は外科医にとって最もやっかいな敵である.感染症の心配をしなくて済むなら外科医のストレスは間違いなく半減するであろう.さらにこの3年間は,新型コロナウイルス感染症のパンデミックが世界中の外科手術に多大な影響を及ぼし,我々はまた多くを学ぶ結果となった.
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