発行日 2006年7月20日
Published Date 2006/7/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2006318734
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疼痛増強時にも薬剤の使用を受け入れず,マッサージのみによる鎮痛を希望した末期癌患者(58歳・男性)の事例を振り返った.自由気ままなライフスタイルを通してきた患者にとって鎮痛薬は「痛い時に飲む」ものであり,定期的に内服するという習慣には適応困難であったが,すべてを拒薬していたわけではなかったため,どんな時に内服を受け入れていたのか,患者に十分確認する必要があったと考えた.また,マッサージは家族や社会とのつながりが薄い患者にとって,痛みが激しい時誰かにそばにいて欲しいという寂しさや孤独感を埋める手段であり,苦痛の緩和を実感できる唯一のものであったのではないかと考えた
©Nankodo Co., Ltd., 2006