発行日 2000年9月20日
Published Date 2000/9/20
DOI https://doi.org/10.15106/J03022.2001052766
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7名の対象者に対して,死別後7日前後,2~3週間前後,及び49日前後の3回,半構成的な質問用紙を用いて面接を行った.分析の結果,自己イメージは,変わりのない自己,自己の崩壊,自己の立て直し,新たな自己イメージの確立,の四つ段階に変化することがわかった.悲嘆のプロセスは対象者の言動から《ショックの段階》《防御的退行の段階》《承認の段階》《適応と変化の段階》と,Finkの危機プロセスと同じように変化していった.そして《適応と変化の段階》では悲嘆の克服,立ち直りの言動が示されていた.自己イメージの変化及び悲嘆の回復過程のプロセスの各段階に共通する内容があることから,関連性があることが明らかになった.死別の悲しみの中で,"自分をみつめている人"に対して新たな自己イメージをより肯定的な内容に近づけられるようにかかわることが,悲嘆からの立ち直りを促す援助になることが示唆された
©Nankodo Co., Ltd., 2000