増え続けるアレルギー疾患-内科医にできる対策と治療 アレルギー疾患各論
アレルギー性結膜炎 内科医にできる対策と治療
海老原 伸行
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院 眼科
キーワード:
Benzalkonium Compounds
,
Steroids
,
結膜炎-アレルギー性
,
鑑別診断
,
水素イオン濃度
,
抗アレルギー剤
,
眼内投与
,
患者重症度
,
内科医
Keyword:
Benzalkonium Compounds
,
Conjunctivitis, Allergic
,
Diagnosis, Differential
,
Hydrogen-Ion Concentration
,
Steroids
,
Anti-Allergic Agents
,
Patient Acuity
,
Administration, Ophthalmic
pp.1077-1080
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017097360
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国民の3割近くが罹患する花粉症の症状のなかで"目のかゆみ"は患者のQOLを著しく低下させる.花粉症の患者は内科,小児科,耳鼻科,眼科などを受診することが多く,眼科以外の科の医師も"目のかゆみ"をとるために抗アレルギー点眼液を処方することが多い.点眼液処方時の注意点は,各抗アレルギー点眼液の特徴,pH,防腐剤濃度などについてであるが,もっとも大切なのは,抗アレルギー点眼液を処方して1~2週間しても自覚症状が改善しないとき,点眼を中止し眼科を受診させることである.改善しないからといってステロイド点眼液や免疫抑制薬点眼液などは処方すべきではない.発症予防のための花粉防御メガネの装用,外出から帰宅時の洗顔,インターネットでの花粉情報の収集などの指導が大切である.アレルギー患者の治療に関わる内科医はTotal Allergistとしてアレルギー性結膜疾患についての基本的知識とともに,眼科医へ紹介する症例や時期についての認知が必要である.
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