最後までよい人生を支えるには 多死時代の終末期医療 多職種で終末期を支えるには
一般病棟看護師・緩和ケア認定看護師 高齢者の終末期ケアとエンド・オブ・ライフ・ケアチーム
横江 由理子
1
,
西川 満則
,
中島 一光
1国立長寿医療研究センター エンド・オブ・ライフ・ケアチーム
キーワード:
意思決定
,
緩和ケア
,
ターミナルケア
,
チーム医療
,
家族看護
,
看護職の役割
,
在宅医療
,
認定看護師
,
苦痛
Keyword:
Decision Making
,
Palliative Care
,
Patient Care Team
,
Terminal Care
,
Nurse's Role
,
Family Nursing
pp.1243-1247
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014056501
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高齢者の終末期医療を中心に扱うエンド・オブ・ライフ(EOL)ケアチームは,苦痛症状の緩和に加えて,終末期医療に関する患者自身の意思決定支援,さらに家族ケアが活動の中心である.苦痛の緩和を第一と考えて,患者の苦痛を全人的に評価し,多職種が連携しながらチームとして対応する.意思決定支援には命にかかわるものが多く,常に本人の意思を最大限尊重する.過去,現在,未来の3つの柱を立て,「その患者にとって最善の医療とケアとは何か」を順に検討する.代理となる家族の精神的負担に配慮し,家族が後悔しないような決断ができるよう援助することに加え,後でそれでよかったと声掛けすることが遺族のグリーフケアにもつながる.EOLケアチームにおける看護師の役割は大きく,アドボケートナースとして患者・家族に関わるだけではなく,多職種協働の調整役も期待されている.院内外の多職種がそれぞれの専門性を発揮すると同時に,他職種の意見も尊重し,EOLケアの理念を共有しながらチーム一丸となって取り組むことが大切である.その人にとっての最善の医療とケアを実現するためには,早期からの事前ケア計画(advance care planning)が重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2013