これからの高齢者医療-診断・治療・予防への対応
《高齢者の検査、術前評価》臨床検査値の見方
下澤 達雄
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1東京大学医学部附属病院 検査部
キーワード:
加齢
,
糸球体濾過率
,
術前診断
,
血中尿素窒素
,
臨床検査
,
基準値
Keyword:
Aging
,
Blood Urea Nitrogen
,
Glomerular Filtration Rate
,
Reference Values
,
Clinical Laboratory Techniques
pp.1140-1143
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012088944
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・高齢者の検査基準範囲を定めるには、年齢に応じた範囲の設定や年齢による補正式を定めることが必要となることが多いが、実際には十分なエビデンスがあるとはいえない。・高齢者の臨床判断値はすべての検査項目で定められているわけではない。また、定められていても、予防医学的閾値、治療閾値の多くが観察研究に基づくものであり、患者の医学的、社会的状態に即した判断が必要となることも多い。・予防医学的閾値が提唱されている場合、その根拠として絶対リスク、相対リスクのどちらを鑑みて提唱されているかに留意する必要がある。・高齢者では若年者に比べ生活環境、ADLにより検査結果が左右されやすい。・高齢者の検査結果は必ずしも症状と一致しない。複数の検査項目から総合的な診断が必要とされる。
©Nankodo Co., Ltd., 2011