発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012041789
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
80歳男。話しにくさや飲みにくさが出現し、食事がむせるようになり、上肢の挙上や歩行困難も自覚し、徐々に症状が進行したため精査目的で入院した。舌の萎縮や筋力低下、球症状を呈し、針筋電図では全身性の神経原性変化を認め、テンシロン試験と抗アセチルコリンレセプター(Ach-R)抗体はともに陽性で反復刺激試験の低頻度刺激で漸減現象(waning)を認めた。原因疾患として重症筋無力症(MG)を考え、pyridostigmineの内服を行ったところ症状は改善した。高齢により胸腺摘出やステロイド免疫抑制薬投与は行わず、退院後、約1年半を経て症状悪化は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011