診療controversy medical decision makingのために
無症候性高尿酸血症に対する薬物療法 消極的な立場から
山内 俊一
1
1帝京大学 内科
キーワード:
食事療法
,
費用効果分析
,
高尿酸血症
Keyword:
Diet Therapy
,
Hyperuricemia
pp.515-518
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010124058
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無症候性高尿酸血症に対する薬物治療の介入の効果に関するエビデンスは乏しい。高尿酸血症者でみられる重大な障害は痛風関節炎と尿路結石に限られ、いずれも死にいたる病ではない。腎障害や動脈硬化の誘発に関しては現時点では議論が分かれる。高尿酸血症は、無症候のまま経過する例が圧倒的に多い。近年は、体質的原因よりも、過食や砂糖の過剰摂取などの食生活の乱れにより高尿酸血症が引き起こされることが多い。とくに無症候性の例では、血清尿酸値を安易に薬で是正するよりも、食習慣の異常やこれの改善度の指標として活用することが勧められる。
©Nankodo Co., Ltd., 2010